上州の利根沼田地方、隠れキリシタンの史実をひもとく歴史小説
キリスト教が禁教とされていた江戸時代、関東地方における布教の拠点の一つが利根沼田地域にあったことは意外と知られていない。
江戸初期には、キリシタンが江戸に次ぐ多さだったと言われ、それは1618(元和4)年から川場村に「東庵」と名乗る指導者がいたためとされている。東庵は同村で結婚して二人の娘をもうけ、12年間にわたり布教を行ったが、突然姿を消した。
実在した東庵と二人の娘(おま、満里)から利根沼田のキリスト教布教の歴史と信仰の源に迫る。
風はいずこへ/谷しせい
(上毛新聞社刊)